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■■■ 素晴らしいモーターホームライフを楽しむ為に、冷蔵庫のお話! ■■■ |
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私は一時期このキャンピングカーの製造販売の仕事をしていた関係で、自分で所有するキャンピングカーを何台か乗り継ぎました。今迄に何台もキャンピングカーを乗り継いでいますが、私が所有していたキャンピングカーの車載用に使った冷蔵庫といえば 1Way のコンプレッサー圧縮式と 3Way 熱吸収式のタイプしかありません。 1Way のコンプレッサー圧縮式は、12V専用24V専用共に自作のキャンピングカーに取り付けましたが、この仕事を辞めて暫く経ったある日、何故か縁あって我が家にやってきたのが「ドルフィンミニ」というアメリカ製の小さなキャンピングカーでした。で、この車に装備されていたのが、3Way 冷蔵庫でした。 発売当時、新車を関西まで陸送してそのまま倉庫にしまい、何年間も全く使われていなかった車だったというので、名義変更をしてから一応の整備を終え、一週間後に慣らし運転をかねて乗鞍高原へ行った時の話です。 まっ、あちこち手直しをする所が出てくるだろうとは思っていましたが、冷蔵庫の冷えが悪いのには驚きました。 一応 3Way ですから全ての熱源をチェックをしたつもりでいたんですが、ビャ〜ルはぬるいし10人分以上あったっであろうおでん種も全て捨てるはめになってしまいました。 キャンプを終え、帰宅してから早速使い物にならない冷蔵庫を引っ張り出してメンテナンスをしましたが、その時の作業の様子を後ほど簡単にレポートしてみます。 まっ、どちらのタイプもそれぞれ大きさや性能に一長一短ありますので、どちらが良いとか悪いとかではなく、予算や家族構成、電源の取り方やキャンプのやり方などで変わってくるでしょう。
● コンプレッサー圧縮式 1Way 冷蔵庫・冷凍庫
12V の直流専用タイプ、24V の直流専用タイプ、100V の交流専用タイプとそれぞれありますが、キャンピングカーの車載用としてはバッテリーから直接電源の取れる12V用 と24V 用とがあります。 まっ、最近では搭載した発電機による交流の直接接続や、ソーラー発電を常用電源とした数個のバッテリーによるインバーター発電を利用するオール家庭電化製品装備のキャンピングカーなんていうのもあります。 とりあえずこれらは別として、このコンプレッサー式冷蔵庫の良い点は、電源を入れてから庫内温度が下がるまでの時間が早いということです。 最新式のロータリーコンプレッサーを搭載したタイプは使ったことが無いので良く分かりませんが、以前使っていた頃の印象としては電源を入れてから2時間ほどで設定温度に達し、その後も一般的に使う3度から8度といった温度をキープする能力は高かったように思います。 長く使っていましたが、出先で冷えが悪くて困ったという印象は無く、製氷皿に氷は出来ますし、アイスクリームも保存できます。 使い勝手やレイアウトにもよりますが、どちらかというと家庭用冷蔵庫のような前面ドアの開閉式よりもクーラーボックスのような上蓋方式の方が開閉時に比較的冷気が逃げにくいので良く冷えるようです。
このコンプレッサー式の冷蔵庫には解決出来ないことはありませんが大きく分けて二つの短所があります。 一つ目は ”音” の問題。家庭用の冷蔵庫でもそうですが、音の大小は別として定期的に発生する振動音というのは耳障りな音で、普通の人はそれをウルサイと感じます。しかし、振動することでエネルギーを発生している原理上、これはどうしようもないことで、これを解決するには周囲にその振動が響かないようにするしかありません。 二つ目は ”電源” の問題。これもキチンと充電された100A×2 以上のサブバッテリーなら一晩ぐらいゼンゼン何でもありませんし、ドアの開閉頻度や季節にもよりますが、私の経験では二晩ぐらいは追加充電無しでゼンゼン大丈夫です。しかし、今では何処のキャンプ場でも電源の心配は要りませんし、ソーラー発電という手もありますので、昔のようにバッテリーのことばかり気にしなくてもいいでしょう。
冷えが悪いといわlている 3Way タイプからこのコンプレッサー方式の車載用冷蔵庫が見直されてきているようです。今迄メジャーだった 澤藤電機やエンゲル、から最近ではドイツのWAECOという会社の製品がシェアを伸ばしています。
● 3Way 熱吸収式冷蔵庫
家庭用電源やインバーターによるAC電源や、車載のバッテリーからのDC電源、又は、カセットガスやプロパンガスによる熱源を利用して冷媒を蒸発させたり戻したりして循環させて冷やす方式の冷蔵庫です。
どんな場所でも使うことができ、特にガスが使えるということは電源の無いところでもバッテリー上がりの心配がいらないということでしょう。また、構造がシンプルゆえに故障も少なく運転音も全くしないため静かなキャンプが楽しめます。
ガソリンスタンドに入る時は必ず冷蔵庫のガスを止めなければならない。などの火気の取り扱いと、LPの状態監視ということがあります。最近ではLPGボンベを積載しているとフェリーの乗船を断られるという話もあります。
国内でも扱っているショップがたくさんありますので、まっ、歴史がそれなりにありますので、上記注意事項をご理解の上、取扱いさえ間違わなければ、安心・安全な装備品といえるでしょう。
冷えが悪く熱源を使うため煙突やその供給部の定期的なメンテナンスが必要だったり、走行中に使用する電源の12V では殆んど冷えない!など最近あまり人気がありません。冷えるまでに時間がかかるので、冷えが悪いとお思いがちですが、一旦冷えてしまえばその能力はコンプレッサー方式に負けませんし、製氷皿に氷も出来ますし、設定温度を最強にすると冷凍庫の様にもなります。私は、個人的な意見を言わせてもらえば、音が静かでガスが使える!ということで、こちらの方が好きです。 ● 必殺の改造? ◇ 最近冷えが悪いという評判?の熱吸収式(いわゆる3Way)冷蔵庫の背面にあるクーリングユニットだけをそっくりコンプレッサー式のものに取り替えてしまおう!なんて荒業をやってくれるショップもあります。 そっくり新しい冷蔵庫に取り替えるのとどっちがいい?なんて考えてしまいますが・・・ |
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● という訳で、新品の冷蔵庫が買えない私は、分解掃除です。
電源とアースの配線ををしっかりすることで、いくらか違いが出ると思いますし、100Vの家庭用電源では良く冷えていましたので、ガスで冷えない原因は冷媒の洩れ等ではなく!多分燃焼不良(不足)だろうということで、復活の方法としては分解掃除するしかなさそうです。 分解掃除のついでにこもった熱を強制的に排気するファンの増設と、半分解けている12Vの電源リレーの交換、開閉スイッチでつく庫内照明、庫内の冷気循環用の小型ファンの取り付けなども一緒にやってしまおうと思います。
● 仕事は簡単です。全部ばらして綺麗に掃除し、塗装して元に戻すだけです。
100V のコンセント、12V 電源、LPGas と、冷蔵庫につながっている接続をそれぞれ外します。 ついでに冷蔵庫を裏側から止めているビスが2本見えたので、これも外しておきます。アメ車の良い所は、こういう簡単なメンテナンスが、本当にやり易くできているということで、たいへん有り難い。 ◇ 次は室内側からの作業ですが、・・・ 先ず、冷蔵庫を取り出す時に備えて、ダンボールなどでまわりの壁や家具を傷付けないように養生します。冷蔵庫の扉を開けると枠に斜めに打ってある固定用のビスが見えますのでそれを全て外せば写真のようにスポっと抜けます。
先ずは煙突掃除からですが、先に言った通りこの冷蔵庫は新品から何年も使わないまま放置されていた物ですので、錆やら隙間から入ってきたその埃たるや・・・ウ〜ン・・・と、唸ってしまうほど溜まってました。 煙突の方は使ってはいないので、一応バラせるだけバラしましたが、本当に中はマッサラ!ねじりん棒状の短冊ような形をしている整流装置やパイプ類などエアーで埃を払って防錆処理をするだけで終了です。 本体を外に出したついでに背面のクーリングユニットがご覧のように錆びてましたので、ついでにれも錆びを落として再塗装しちゃいます。 ◇ さて、綺麗になった冷蔵庫の入っていたスペースにここでひと仕事しておきましょう。 1.先ずは信用してない訳ではありませんが、線が細かったのか、結線不良でアークしていたのか12V の熔けていた電源リレーを交換します。ついでにバッテリーからのプラス配線も太い物と交換し、アーズも確実にボディーアースを新しいボルトでがっちりしておきます。 2.つづいて左上の写真のファンの取り付けです。このファンのスイッチと電源オン時のパイロットランプを冷蔵庫の前面に出るように配線しておきました。3.最後についでですから冷蔵庫の庫内に取り付ける照明用と冷気循環用の庫内ファンの配線をしておしまいです。塗装も乾いて綺麗になった冷蔵庫を元の位置へ戻し、電気系統を終了します。 私の考えでは冷えの悪い原因はガスが正常に燃えていないか?ガスの出が悪い?ためと思うので、上の写真にあるように煙突の下側のバーナー部分をバラせるだけバラします。 ガス管内部や空気の取り入れ口など燃焼不良を起こすと思われるところを全て歯ブラシなどで掃除して最後にエアーで念入りにゴミを飛ばします。パーツが細かいので注意しないといけませんが、最終的にガスが噴出す部分は針の穴ぐらいしかありません。 以前、トレーラーのガスレンジの火が小さいのでこの穴を一回り大きくしましたが、結構シビアでデリケート?な世界です。コンマ何ミリという単位で炎の大きさやガスの噴出す方向がガラっと変わってしまいます。冷蔵庫のこの穴は大きくする必要はありませんし、大きくしたり乱暴に扱って変形させてはいけません。本当に縫い針で突付いて穴を通し、錆びを磨いて周囲の防錆処理をして終了です。 |
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